酢ろぐ!

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翠星のガルガンティア ~遥か、邂逅の天地~を読んだ

ガルガンティアの続編小説が出ているのを昨日知って、すぐに上下巻揃えて読んだ。

合わせて2,500円なので単に小説としてだけならちょっと高い感もあるけれど、あのガルガンティアの終わりの物語なので値段はさほど重要ではない。

翠星のガルガンティアの時系列

時系列的としては以下の通り。

  • 翠星のガルガンティア (アニメ)
  • 翠星のガルガンティア ~めぐる航路、遥か~ (OVA)
  • 翠星のガルガンティア ~遥か、邂逅の天地~ (小説)

「遥か、邂逅の天地」は上下巻合わせて470ページだったので3時間ほどで読み切った。

翠星のガルガンティアのあらすじ

「遥か、邂逅の天地」を読むにあたって、「翠星のガルガンティア」のあらすじを紹介する。

宇宙に進出した人類は人類銀河同盟を結成して、「ヒディアーズ」と呼ばれる触手うねうね生物と種の生存を賭けて殲滅戦争を繰り広げていた。

人型兵器マシンキャリバー「チェインバー(杉田智和)」に乗ったレド少尉は、軍での一定時間以上の活動が認められて「アヴァロン」への移住が認められる。レドはアヴァロンへ行く暇なく人類銀河同盟の劣勢を覆すための最大の奇襲作戦に参加することになる。

アヴァロンのイメージ図。アヴァロンは巨大コロニー都市で、重力制御のために直線の棒に葉のような住居スペースとなるコロニーがついている

しかし強力なヒディアーズの前に奇襲作戦も失敗に終わり、生き残った人類は撤退を余儀なくされる。レドとチェインバーはワームホール通過中にヒディアーズに捕まってしまい地球へ転移されてしまう。

言葉の通じないレドが、船団ガルガンティアに住む地球原住民とコミュニケーションを取るところから描かれるのが斬新だった。

紆余曲折ありながらもレドとチェインバーは、人類を扇動して神を名乗るマシンキャリバー「ストライカー」と対立。チェインバーとストライカーは相討ちの形で「未来の超兵器」は消失した。レドは地球人たちと暮らしていくところまでがアニメで描かれた。

OVAで「陸の国」の存在が明かされる

ガルガンティア世界では地球の大半は海になっているが、大陸もわずかながら残されている。「陸の国」はふたつに分かれ大国となり延々と戦争が続いていた。

OVAではチェインバーと別れたレドが、陸の国の使者からパイロットとしてアプローチを受ける物語となっている。

アニメでの結末と未回収の伏線

もう7年前のアニメで、いまさらネタバレもないだろうから遠慮せずに書く。

この物語は、人類がまだ宇宙に進出する前の遥か昔、地球が氷河期を迎えようとしている時代から始まる。その時、宇宙への進出は決まっていましたが、移住可能な惑星への移動には膨大な時間が必要だった。

厳しい宇宙環境を耐え抜くために遺伝子操作により人体を改造し適応させようとする「イヴォルバー」派閥が現れ、人体改造に反対する「コンチネンタル・ユニオン」派閥と二派に分かれ、戦争が始まった。

コンチネンタル・ユニオンはワームホールドライブの開発に成功し、イヴォルバーがこれを追うことができないようにドライブに自爆装置を仕掛ける。しかし、その自爆装置は無効化されて、結果的にイヴォルバーと共に別の銀河系にワープしてしまう。そして、コンチネンタル・ユニオンは人類銀河同盟へ、イヴォルバーはヒディアーズへと進化し、それぞれ太陽系よりはるかに遠い銀河で、種の生存をかけた戦闘を続けることとなる。

一方、氷河期が訪れる地球に残された非主戦派の人類は限られた陸地や船の上で生活を始め、非主戦派のイヴォルバーはクジライカとして海の世界に適応して生き延びていた。

OVAでは「陸の国」やマシンキャリバーの原型(人型ロボット)の存在が明らかにされたが、以下の疑問点については語られていなかった。

  • 氷河期が襲った地球で、どのようにして人類が絶滅を免れたのか
  • どうして氷覆いの星が海洋の星に変化したのか
  • レドが脱退した後、人類銀河同盟の運命はどうなったのか

小説「遥か、邂逅の天地」は実質アニメ二期!

アニメ二期は諸事情あって制作されることはなく、その代わりの小説版が出たらしい。そうとはしらない僕は7年間も二期放送を待ち続けていた。続編として小説が出てることを知ったので上下巻を一晩で読んでしまった。

レドとエイミーらガルガンティア船団のその後、人類銀河同盟のその後、「陸の国」の存在など、すべての伏線を回収して広げた風呂敷を丁寧に畳んだ作品だった。

小説「遥か、邂逅の天地」は実質アニメ二期と言えるので、ガルガンティア世界が好きな方にはぜひ読んでいただきたい。