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初代ゲームボーイアドバンスにバックライト液晶を実装する(40ピン編)

Game Boy Advent Calendar 2017の第19日目です。前日の記事は id:yoriP の 「I am a game boy」でした。

本記事では、まず初代ゲームボーイアドバンス(AGB-001)の素晴らしい点と欠点に触れてます。その上で欠点を補うためにバックライト液晶を実装する方法について紹介していきたいと思います。

前書き:良いこと尽くめのGBAの唯一の欠点

2017年に購入したゲームボーイアドバンスは4台でした」で最強ゲームボーイデバイスは初代ゲームボーイアドバンス(以降GBA)じゃないか!と書きました。

ゲームボーイアドバンス ミルキーブルー【メーカー生産終了】

ゲームボーイアドバンス ミルキーブルー【メーカー生産終了】

GBAは良いこと尽くめではないか、と

バッテリーが必要なハードはバッテリーの生産が終わった時点でハードウェアとして終了します、ゲームボーイアドバンスSP(以降GBASP)みたいに互換バッテリーが出ていればラッキーってなものです。単三電池2本で動くレトロゲームハードは動力源の問題がないので将来的にも安心です。

他にもカセットの刺し口が裏面上部についているのもポイントが高いです。コロコロカービィみたいに加速度センサーがついているようなゲームの場合は、GBASPだと入力が上下左右逆転してしまいます。

これは僕個人の感覚になってしまいますが、普通よりも手が大きい部類にはいるため小さなコントローラーだとあまり安定しないというか収まりが悪いです。そういう意味でもGBASPよりもGBAの方が合っていますね。

GBAの欠点は画面が暗いこと

GBAの欠点は画面が暗いことです。ワンダースワンカラーは何も見えないに等しいのでそれに比べるとまだマシですが蛍光灯や日光が当てながらであれば問題ありませんが、室内で遊ぶには画面が暗いのがネックです。

ゲームボーイアドバンスのソフトであればニンテンドーDSやDS Lite、ゲームボーイミクロを使ってバックライト液晶で遊ぶことができます。またはニンテンドーDSを改造したゲームボーイアドバンス専用機「ゲームボーイマクロ」も良いかもしれません。

しかし、ニンテンドーDSシリーズやゲームボーイミクロではゲームボーイとゲームボーイカラーのソフトが遊べません

ゲームボーイ、ゲームボーイカラー、ゲームボーイアドバンスのソフトをバックライト液晶で遊べるのは、北米版GBASP(AGS-101)しかありませんが、日本国内では手に入りにくい上に高価ですのでまず選択肢に上がってくることはありません。

誰もが自然とAGS-101が手に入らないのであればGBAにバックライト液晶をつけたらいいんじゃないか!と思いつくことでしょう。

重要!バックライト実装に取り掛かる前に

昔と比べると手慣れたのか1台も犠牲にする異なくバックライトを実装することができました。

GBAにバックライト液晶を実装する方法は有志によって長く古来より行われてきました。初代ゲームボーイにバックライトを実装するよりはるかに簡単ですし、中国産のバックライト液晶も技術的に進歩していて一ヶ所半田付けすれば良いだけとなっています。

とはいえ、初見で説明書を見ずに実装できるようなものではないため、きっちりと先達たちのノウハウを利用させていただきましょう。

まずは指示書を読むこと

ゲームボーイアドバンスは内部的にバージョンがあり、「本体」と「液晶と本体を接続するケーブル」の相性や組み合わせを考慮する必要があります。

上記の解説は文字情報がメインなので、こちらの作業の流れはこちらの実装手順書を読んだ方が確実です。ただし、この手順書はこのメーカーが出荷していたバックライト液晶の実装方法ですので、Aliexpressの業者から購入する場合には全く同じ作業になるとは言えません。

日本語で書かれていて一から十まで詳細が書かれているのは、あやすけさんが連載されていたGBA液晶画面向上委員会シリーズくらいだと思います。他にもバックライト液晶を実装した系の記事はありますが手順について書かれているサイトを僕は知りません。この記事が書かれたのが2013年で4年前の記事なので細かい部分が異なっているのに注意しましょう。

使用した機材

Aliexpressで独身の日セールにバックライト液晶を2つ購入しました。セールだから勢いで買ったのもあるのですが、今考えてみると値段はそこまで安くありませんでしたね。

相性問題があるみたいなので、バックライト液晶はケーブルとセットになっているものを購入しました。

全てのセラーが悪いわけではないのですが、たまに不良品をおくってくることもあるためセラーのレビューは必読です。ケースのバリ程度なら自分でやすりがけすれば良いだけですが、液晶ユニットの不具合はとても自力で修理できるレベルのものではないので……

白光(HAKKO)のハンダゴテは必須です、先が細い方が作業しやすいと思います。詳しくはゲームボーイを修理するために白光のはんだごてを買いましたにて書きました。

GBAの修理をするならエンジニア社のY字ドライバー DTY-02を買っておきましょう!

エンジニア 特殊ネジ用ドライバー Y型ネジ用 DTY-02

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GBAにバックライトを実装する

さて、ここからが今回の本題となります。

ついこの間修理したばかりのGBA 3号機にバックライト液晶を実装することにしました。

GBAを分解する

GBAを分解します。最近は雑にぺぺーと分解してしまうので、詳細は1号機を分解したときの記事を読んでいただいた方が良いかもしれません。

液晶ユニットを置き換えるので、液晶カバーまで剥がしておきましょう。

バックライト液晶パネルが入るように加工する

バックライト付きの液晶パネルは、通常の液晶ユニットと比べるとサイズも厚みも大きいです。

どこまで削っても良いのか水性ペンでマーキングしました。

プラモでパーツの接着部分をデザインナイフでカンナがけしますよね?その要領で平らになるまで削ります。グルーガンを持っていないので液晶ユニットが入らないキワキワまで削ってから、少しずつ削って液晶ユニットが収まるようにしました。

調整の甲斐があり、キチンとハマるようになりました!

さらにここから1時間くらいかけて平らにしました。バックライト液晶ユニットは分厚いのでちょっとでも出っ張ってると最終的な出来栄えに影響しそうなので丁寧に平らにしました。

変換ケーブルを絶縁テープで固定する

ケーブルの長さを調整して綺麗に基板側コネクタに挿せるようにします。

純正液晶と重ねておおまかな位置合わせをしています。

僕が買った変換ケーブルはすごくて、ケーブルのくびれの部分にGBA外装が当たるように設置すれば良いので何も考える必要がありませんでした!これからケーブルの購入を検討される方は、くびれのあるタイプのものにしましょうね。

仮止めした上で本体基板に差し込んで短すぎないか、長すぎないかを確認します。

綺麗に位置合わせができたら仮止めテープを剥がして、本止め用に絶縁テープを貼って固定します。

ケーブルの接続コネクタ分浮きが発生してる。不安になるけれどどうしようもないので見なかったことにしました……

バックライト用の電源を供給する

指示書は画像の解像度が悪くて何が書いているかわかりません。補足的に「GBA液晶画面向上委員会(その3) : てきとうなブログ」を参考にさせていただきました。

f:id:ch3cooh393:20171218092621p:plain

DA1の左上部から電源を取ればよいことがわかりました。

この写真でみてもわからないのと思ったので図を描きました。

追記:

僕のゲームボーイ改造記事によく出てくるしえんさんに記事を見ていただいたところ、「外装がパンパンになってませんか?」とのことで、外装の電池ボックスの裏側を削りました。

バックライトGBAが完成しました!

初代ゲームボーイの改造のときのように反射板を剥がすようなテクニックは必要なくてホッとしています。外装を閉じれば完成です。

ついに完成!中国から購入したバックライト液晶の発色は悪くなく綺麗で安心しました。

通常のゲームボーイアドバンスと比較してみました。画面の明るさが全然違うのがわかります。

バックライト液晶を実装した画面は綺麗にくっきりと写っています。

通常のゲームボーイアドバンスは暗くて画面が見えません。よく昔はこの画面で遊べていたな……

以上、ゲームボーイアドバンスにバックライト液晶を実装する方法をご紹介させていただきました。

一通り自分で確認しながら作業したので間違いはないと思いますが、ひとつひとつ細かな点でわかりにくいようでしたらコメントで質問を書いて頂けますでしょうか。Twitterでも大丈夫です!よろしくお願いします。

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