酢ろぐ!

カレーが嫌いなスマートフォンアプリプログラマのブログ。

Twitter で bnc,lt または asahsi,com のリンクを貼っている通称ナイト系スパムbot への対処方法

Twitter でバズったツイートに対して bnc.lt または asahsi.com のリンクを貼るスパムがあまりにも目に付くので対処したいと考えた。これは通称「ナイト系スパム」と呼ばれる bot である。

後述するが、リンクを踏むと無断転載サイトへ転送され、サイト運営者からスパム業者に謝礼が払われる仕組みのようだ。

いままでも無差別にURLを貼り付けるスパムbotはたくさんいたが、このスパムの賢いところは引用リツイートや元ツイートから文章を抽出しているため自然なリプライに見える点にある。スパムと疑っていないツイート主がわざわざリプライを返しているケースもよく見かける。

bnc.lt は 短縮URLサービス「branch」で使われるドメインである。bnc.lt イコール spam ではないのだが、スパムにしか使われていないのも事実である。一方、朝日新聞の asahi.com と紛らわしい asahsi.com は最近では使われなくなっているようだ。だいたい2022年9月前後に bnc.lt へ移行したように見える。

対処方法

先に対処方法を書いておく…… とはいえミュートキーワードに設定してもフィルターを貫通してしまうので、地道にブロックしていく必要がある。

手間はかかるが、Kuro (@PRiMENON) さんのツイートを参考にして、下記のキーワードで検索してぽちぽちブロックしていく。

  • filter:replies url:bnc.lt
  • url:bnc.lt
  • filter:replies url:asahsi.com
  • url:asahsi.com

この辺りを自動化できるアプリなりを開発したいところだ。

(2023/04/02追記) bnc.lt を含むスパムユーザーが使うリンクを検索し、一括でブロックできる iOS アプリを開発した。しかし残念ながら Twitter 社による Twitter API の有料化 が発表され、ミニマムプランの月額500万円を支払えないため、このアプリは 2023年4月中旬 で利用できなくなる。

Twitter 社が Twitter API v1.1 の廃止時期を明示していないことから、余計な混乱を避けるため、4月10日頃を目安にアプリの配信を停止する予定である。

残り1ヶ月という短い期間ではあるが、iPhoneをお持ちの方はぜひお試しください。

products.ch3cooh.net

(2023/04/10追記) 短い期間ではありましたが、アプリの提供を停止しました。皆様にご利用いただきありがとうございました。

増え続けるナイト系スパム

あれっくす (@NStyle) さんによると月間2,000アカウントずつ増えていっているようだ。

現在の Twitter は bot にかなり厳しい。手動でもアカウントを作成してすぐにリプライを飛ばしまくると凍結されてしまう。ツイ廃がいつもの感覚で、新規アカウントを作成してツイートしていると翌日には凍結または BANされているだろう。

このナイト系スパムのアカウントのアカウント作成日はだいたい1年前になっている。アカウントの作成日から時間が経てば経つほど凍結される危険性が減る。さらにこのスパムbotの賢いところは、1日1回日常ツイートをしながらアカウントを育てて、数日に1回スパムリンクを貼っている。

またインターネットには Twitterアカウントを売買するサイトがあるようで、値段を調べるとフォロー数が多ければ10万円単位で売買されるようだが、フォロー数が少なければ 10年間寝かせたアカウントでも10個5,500円ほどで取引されている。10年選手のアカウントでも二束三文で取引されているのが現実のようだ。

これらが自前で作成したアカウントなのか、他所から購入したアカウントなのかはわからないが、日常ツイートをして育てているのもあって、Twitter運営からみると一般アカウントの差がわからず、凍結を回避できているのではないかと思われる。

ナイト系スパム は構造的に潰すのが難しい

ナイト系スパムの収入源は、無断転載されたサイトへの誘導による収益のようだ。

この場合、「Twitter が bnc.lt または asahsi.com にリンクを貼っているアカウントをBANする」か「広告主に制裁を与える」くらいしか、このスパムbotを駆除する方法がない。

  • スパムアカウントをBANする (入口を潰す)
  • 広告主に制裁を与える (出口側のサイトを潰す)

Twitter の 不正利用監視AI が ナイト系スパムをスパムと認識してBANしていけばこの問題はすぐに解決できるのだが、2023年2月頭に発生した「春の大凍結祭り」のように人間が運用しているアカウントを大量に凍結するAIだ。

bot 潰しは経営主体がイーロン・マスク体制に変わり一番期待していたところではあるが、現在イーロンは赤字体質を改善するのに手がかかりっきりで bot 潰しに関してコミットしている様子がない。現状の経営状況では AI が賢くなることも期待できない。

出口側サイトで無断転載されていても、漫画村事件のように集英社や講談社のように強い被害者がいるわけではないので、個々のユーザーがそれぞれ個別で訴えないといけない。これもおそらく現実的ではないだろう。

総合して考えると、TwitterのAIよりも賢いAIが搭載された ナイト系スパム は構造的に潰すのが難しいのが現状だろう。

参考記事

togetter.com