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ゲームボーイの電源が入らない、ゲームが起動しないときのトラブルシューティング

ひとりゲームボーイアドベントカレンダー2016の第13日目です。前日の記事は「ゲームボーイ(DMG-01)4号をレストアする」でした。

本記事では「ゲームボーイの電源が入らない」「ゲームが起動しないとき」などのトラブルの対応方法をまとめておきたいと思います。

ここでは初代ゲームボーイ DMG-01のことを例に出していますが、他のゲームボーイポケット(GBP)やゲームボーイアドバンス(GBA)でもほぼ同じです。

今までのレストア作業のなかでは「致命的なほど基盤が損傷を負っているケース」には遭遇していません。さすがに一山いくらのような買い方をしていないのもあって原型をとどめているものしか買っていないというのもありますが……

水没や電池の液漏れで基盤がひどい状態になっている場合には、基盤のクリーニングだけではなくハンダの付け直しなどが必要と聞きます。そういう場合は素人修理ではどうしようもないので諦めるかプロに依頼してください(丸投げ)。

この記事を参考にして、大切なゲームボーイを壊してしまっても責任は一切取りかねますのでご了承ください。

道具はこれだけ揃えたらなんとかなる

「ゲームボーイの電源が入らないケース」であったり、「NINTENDO®️が表示される画面からゲームのタイトルに移動しない」などの不具合はよく見かけます。

これらは「接点洗浄剤」と「接点復活剤」の合わせ技で解決することができます。

KURE(呉工業) コンタクトスプレー(300ml) 接点復活剤 1047 [HTRC2.1]

KURE(呉工業) コンタクトスプレー(300ml) 接点復活剤 1047 [HTRC2.1]

修理の際にはゲームボーイを分解することになると思います。何度も書いていますが、ゲームボーイの分解にはエンジニアの「DTY-02」がベストでしょう。

エンジニア 特殊ネジ用ドライバー Y型ネジ用 DTY-02

エンジニア 特殊ネジ用ドライバー Y型ネジ用 DTY-02

分解のついでにスピーカー穴や端子穴から入ってきた基盤にこびりついている埃も掃除しておきましょう。電子部品を水洗いすることはできないので「無水エタノール」を使って掃除することになります。

無水エタノールP 500ml(掃除)

無水エタノールP 500ml(掃除)

こだわり綿棒 180本入 日本製

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水没や基盤が腐食しきってしまっている場合は、修理にかける手間を考えると諦めた方が良いのかもしれません。Amazonではゲームボーイを1台あたり約1,000円で買うことができるので……

必須ではないですし外装や基盤を傷つけてしまうので、あまりオススメしないのですが金属接点に付いているサビを落とすのに使いました。400番から初めてそれでも取れないようなら240番、120番と荒い番号のサンドペーパーを使いましょう。ただ、前述した通り削りすぎてしまったり、パターンを傷つけてしまうことがあるため臨機応変にご使用ください。

電源が入らないトラブルを解決する

電源が入らなくて困ることがあります。古いゲーム機なので諦めてしまいがちですが接点をクリーニングすることで、案外電源が入ってしまうことが少なくないです。

電源スイッチの汚れ

スイッチ内部に汚れが詰まると電源ONの状態が維持できません。

経年劣化によって生じた錆(酸化鉄)が抵抗になってしまい、安定して信号が流れず阻害されてしまいます。信号が不安定なのでちょっとした衝撃でOFFに切り替わってしまう、と理解しています。

ゲームボーイ(DMG)ではあまり発生例を見ませんが、ゲームボーイアドバンスで電源スイッチをONにしても電源が入らないケースの原因は多くの場合がこの現象によるものです。

電源スイッチに向けてエレクトロニッククリーナー(接点洗浄剤)をスプレーして、スイッチのON/OFFを切り替えます。これを何回か繰り返しているとガリっとした引っ掛かりのようなものがなくなります。

電池を受ける金具が錆びている

錆びていたり腐食していたりすると電源が入りません。これは錆が原因で通電できなくなるためです。

オークションサイトでたまに「ACアダプターからは通電できるけれど、電池だと通電できない」と書かれているのを見ますが、金具が錆びているんじゃないかな?と疑っています。

詳細な対策方法についてはゲームボーイ4号のレストア記事に書きました。

blog.ch3cooh.jp

金具を対策方法としては、電池との接地面を紙やすりで削ってから、接点復活剤を塗ると改善します。たとえば以下の写真ではきちんと電池が収まっているように見えます。

金具の接点が錆びていてきちんと電流が流れていないのが原因のようです。ざっくりと図解すると下図のような状態です。

f:id:ch3cooh393:20161112221513p:plain

電池のプラス側と接触する接点のサビをサンドペーパーで削り、接点復活剤を塗って接点を保護することで、ゲームボーイに電源が入るようになりました。

これはあくまでも暫定対応なので、根本的には金具パーツを交換すべきと思います。残念ながら金具パーツだけで購入すると高くつくので、ebayで外装を買い換えるか、複数台ゲームボーイを持っているのであれば部品取りに1台潰すくらいでしょうか……

トランジスタ・ヒューズの破損

これは確認したことがありません。こういうこともあるようです。

ゲームギアではよく聞く話ですね。

ゲームが始まらないトラブルを解決する

ゲームが始まらないトラブルは大抵の場合は、カセットと差し込み端子との接触不良が原因です。

ゲームボーイに電源を投入するとNINTENDO®️が画面上から降ってくるのですが、接触不良の場合はロゴが化けていたり■■■■■■■■®️になっていたりします。

カートリッジ差し込み端子の汚れ

基盤上に実装されている「カセットを差し込み端子」に接点洗浄剤を噴射します。

洗浄剤で端子の汚れを掃除してから、カセットと差し込み端子との接点を保護するために、接点復活剤をスプレーしたカセットを何度か抜き差しします。

ゲームソフトの端子汚れ

ゲームボーイ本体に問題がなくてもゲームが始まらない場合もあります。カセットの端子が汚れている場合です。無水エタノールでクリーニングして接点復活剤を塗りましょう。

端子汚れは別の問題も引き起こす可能性があります。ゲームフリークなどの互換ゲーム機は汎用品を使われているからか、抜け防止のために端子がかなりきつめになっています。保存状態が不明な中古のカセットの場合、カセットを抜くときに一緒にゲーム機の差し込み端子ごと抜けてしまう可能性があります。

ゲームボーイは特別丈夫なので、このようなことはあまり起こりません。

ただ、差し込み端子を痛めていることには違いないので、無水エタノールでクリーニングして接点復活剤を塗りましょう。接点復活剤の油膜のおかげでカセットの抜き差しがスムーズにおこなえるようになっていると思います。

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この他にもゲームボーイの修理・改造ネタを紹介しております。Tipsをまとめておりますのでこちらのページをご参照ください。