先日、ハッシュ計算するツール「Hash Calculator Tool」を公開しました。このアプリを使うと素早くハッシュ値の計算をすることができます。
当然のことながらスナップ表示に対応していて、デスクトップアプリを操作しながらハッシュ計算ができます(というかそのために作ったようなものです)。
このツールは処理自体は誰にでも作ることができる、あまり労力がかかっていないものなのですが、いくつか実験的な取り組みをしています。
まず一つ目に、Microsoft Advertising (Microsoft pubCenter)の広告を貼っています。そして、FillとSnapで表示する広告を使い分けていたりします。WindowsストアアプリでMicrosoft Advertising SDKを実装する方法については以前書きましたのでご覧ください。
二つ目に、Microsoft Advertisingの広告が表示されなかった場合には「AdDuplex」を表示させるようにしています。
「AdDuplex」は癖があってちょっと使いどころが難しいのですが、Windowsストアアプリで広告収益をと考えている方に是非使って頂きたいと思います。
AdDuplexとは
はい、今日は無料で自分のアプリを紹介してもらえるアドネットワーク「AdDuplex」の紹介をしたいと思います。残念ながらWindowsストアアプリとWindows Phone向けしか対応していません。
このAdDuplexはどんなサービスなのでしょうか?
さきほどアドネットワーク
と書きましたが広告収益を得るためのサービスではありません。他人のアプリ広告を表示した分だけ自分のアプリの広告を表示してくれるサービスです。
AdDuplexではどんなに自分のアプリの中で広告を表示したとしても広告収益は発生しません。収益生まないのに広告を入れるなんて・・・何をバカなことを言ってるんだ、と思われてしまいそうですが、おそらく現時点で広告収益が十分にある雪猫さんの「Mevy」やがりっちの「アルパカ牧場」などで使うと有益だと思われます。
説明します。前述した通り、AdDuplexは自分のアプリで他人のアプリを紹介すると報酬として「自分のアプリを他人のアプリ内で宣伝してもらえる権利」をもらうことができます。この自分のアプリを宣伝してもらえる権利
は自動的に行使されます。
つまり、現段階で十分に広告収益が発生している方のアプリは、インプレッション数も多いため、他人のアプリにより多くの自分のアプリの広告
を表示させることができ、さらに多くのユーザーを自分のアプリへ誘導することができるでしょう。
また、自分の無料アプリAで広告を表示した報酬(自分のアプリの広告を宣伝してもらえる権利)を、別の有料アプリBに対して使う事も可能です。
AdDuplexのビジネスモデル
ここまでの説明で「AdDuplex」は、各開発者の作ったアプリの相互紹介サービスであることが分かりました。しかし、ここで終わってしまうとAdDuplexはインフラを提供するだけの慈善団体です。
AdDuplexのビジネスモデルについて考えてみましょう。
AdDuplexが、どのようにして利益を生んでいるのか。それは先ほど説明した仕組みを利用しています。自分のアプリの中で他人のアプリを紹介すると、自分のアプリを紹介してもらえる。ただし、これは等価交換ではありません。
レートが設定されていて基本的なレートは1:0.8
です。自分のアプリ内で他人のアプリの広告を100回表示すると、他人のアプリで自分のアプリの広告を80回紹介してもらえる計算になります。
消えた0.2(20回)分はどこに消えてしまったのか!!、と考えてしまうかもしれませんが、これこそがAdDuplexのビジネスモデルです。残りの0.2(20回)分の広告表示する権利を有償で販売しているのです。
広告表示する権利は、具体的にどれくらいの費用が掛かるのかと言うと、20,000インプレッションあたり$48掛かります。一般的なスマートフォン向けの広告会社は、インプレッション単位でお金を取らずクリック単位だったような気もするので、それらと比べると少し割高に見えてしまうかもしれません。
ただ、視点を変えてみましょう。Windowsストアアプリで広告表示と言えばMicrosoft Advertising
なのですが、日本での広告表示率はとても低いです*1。
AdDuplexでは直接的な収益を生まないため、Microsoft Advertisingで広告が表示されなかった場合に表示する控え選手的な位置づけとなっています。Microsoft Advertisingの広告表示率が低いと、その分だけAdDuplexの広告が表示される確率が高くなります。
露出が高いとその分だけ多くのユーザーに見てもらえるので、さきほど割高と書きましたが、自分のアプリを紹介した広告費以上に収益が発生することが見込めるのであれば、AdDuplexをジャンジャン使っても良いかもしれません。
状況によって選択する宣伝の方法を考えてください。
AdDuplexのとても残念なところ
AdDuplexの残念なところなのですが、一番残念なところなのですが、アプリの言語ごとによる宣伝文の使い分けができません。かなり残念だと思います。
世界中のユーザーに同一の文章が配信されてしまうため、日本人向けのアプリを作ったとしても英語で紹介せざるをえません。
AdDuplexを自分のアプリ内に組み込んでみたい
WindowsストアアプリやWindows Phone向けにAdDuplexを組み込む記事を日本語で
読みたい方は、 @pnp0a03さんが書かれた下記の記事を呼んでください。
現時点で唯一日本語でAdDuplexの実装方法が書かれていますのでご参考ください。
*1:個人の感想ですが、最近ちょっと復活してきているように思えます