ひとりゲームボーイアドベントカレンダー2016の第16日目です。前日の記事は「ゲームボーイのカスタムパーツを海外から購入する」でした。
連日ゲームボーイについて書いていますが、本記事ではゲームボーイの基盤にリード線をはんだづけして改造してみましょう。
ゲームボーイカスタム界の方(?)であればご存知だと思いますが、ゲームボーイの改造といえば以下の2点が特に有名です。
- プロサウンド対応
- 液晶のバックライト化
初代ゲームボーイにイヤホンを刺してBGMを聞いていると「サーー」というホワイトノイズ(?)が聞こえてきます。外で聞くと環境音もありあまり気にならないかもしれませんが、家の中の静かな環境で聞くと気になります。
音の違いを撮った動画がYouTubeにアップロードされていました。聴き比べてみてください。
本記事では、初代ゲームボーイ(DMG-01)をプロサウンド対応したいと思います。
ゲームボーイをプロサウンド化する
プロサウンド対応は簡単で、接点とイヤホンジャックをはんだ付けするだけです。30年近く前のゲーム機の基盤なのではんだ初心者の僕でも安心のピッチ幅です。
ただ、イヤホンジャックと言ってもどういうものを買って良いのかよくわからなかったので、海外のゲームボーイパーツショップのHand-Held Legendから輸入した 3.5mmステレオジャックを使います。
これひとつで$2.3(約255円)でした。
あとから気付いたことなのですが、型番がどこにも書かれておらずデータシートを探すことができませんでした。データシートがないとどれが右でどれが左なのかもわかりません。一番長いのがGNDだなというのはなんとなくわかるのですが……
秋葉原の共立電子に行って型番が明確なイヤホンジャックを買えばよかったですね。ちょっと反省しています。
基盤側の接点について
電源側基盤の音量ボリュームの横に円で囲った5つの接点があります。
上から順に
- ボリュームを通過する前の元音量の右チャンネル(pre Rch)
- ボリュームを通過する前の元音量の左チャンネル(pre Lch)
- ボリューム変更後の左チャンネル(Lch)
- ボリューム変更後の右チャンネル(Rch)
- GND
となっています。音量調整がしたいので下3つから信号を取ろうと思います。
はんだ付けしていきます
リード線が3種類あったので、左チャンネルは青色、右チャンネルには赤色、GNDには黒色の配線をそれぞれ使用することにしました。
さぁ、早速はんだ付けしていきましょう!
あっ……
盛大に失敗しました……
リード線にハンダメッキしていたのですが、別途基盤側に付けるハンダの量が多かったのか、赤色と黒色の接点がくっついてしまいました。このまま作業するわけにもいかず、この日は作業を中断することになりました。
Amazonプライムではんだ吸い取り線を注文して作業は次の日に持ち越しとなりました。
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翌日やりなおしました。10年以上ぶりにハンダづけする割には綺麗にできたと思います。
ハンダ付けしたところを絶縁テープを貼りました。
イヤホンジャックについて
ファミコンはモノラルですが、ゲームボーイはステレオです。ステレオといえば右とか左とかなんですが*1、3極のステレオジャックは下記のように対応するようです。
ステレオ | |
---|---|
チップ (T) | L-CH |
リング (R) | R-CH |
スリーブ (S) | GND |
リード線が極細なのもあって、はんだ付けがとても難しいです。
iPhoneに付属するイヤホンはマイク付きなのですが、これは3極ではなく4極イヤホンと呼ばれるようです。
下図はWikipediaからの引用ですが、左の3極イヤホンプラグと真ん中の4極イヤホンプラグは、パッと見は同じなのですがGNDに当たる根元側が4極プラグの場合に分割されている点が異なります。
極性が異なるイヤホンを使用すると壊れることもあるようです。こわい
外装にイヤホンジャック用を通す穴を開ける
はんだ付けした3.5mmのステレオジャックを通すために、ゲームボーイの外装に穴を開けます。今回、留め具付きのイヤホンジャックを使うのでホットボンドで固定したりはしません。
肝心の穴を開ける場所ですが、ゲームボーイは両手で握る形で遊ぶので側面にイヤホンをつけると邪魔で仕方がありません。とても邪魔です。
ゲームボーイ業界の先人たちの知恵によると、ゲームをするのに邪魔にならないようにこの場所に穴を開けることが推奨されていました。大体のアタリをつけます。
はんだの熱を利用して穴を開けたらよいと書いてるサイトがあったので、信じて実行した結果プラが溶ける凄まじい臭いが発生しました。蒸発したプラを吸ってしまう可能性があるのでこの方法は絶対にやらない方が良いです。
次からはちゃんとドリルで穴を開けます。イヤホンジャックを絶縁テープでぐるぐる巻きにしました。
先ほどのボリューム接点とはこんな感じでつながっています。個人的にはリード線が長いと思ったのですが接続してみるとそういうこともなくてむしろ短いくらいです。
完成!!!カービィGBでBGMの聴き比べをしてみましたがとてもクリアな音になったと思います。
問題発生
……しかし問題が発生しました。
完成と思って外装を閉じてからイヤホンを指すと、ノイズしか聞こえなくなってしまいました。理由がまったくわからなかったのでひとつひとつ原因を追求していきました。
- 100円均一のイヤホンを使うとちゃんと聞こえる
- iPhoneで使っているマイク付きのイヤホンだとノイズになる
4極タイプのイヤホンを挿すとノイジーになって、3極タイプのイヤホンなら問題は発生しないことがわかりました。
3極イヤホンに比べて4極イヤホンはGNDの幅が狭く、おそらくイヤホンジャックの作りが原因なのでしょうがGNDを取る場所の位置が変で、マイクの場所に接点が来ているのだと思われます。
3極イヤホンで使えば問題は発生しないので気にしないことにしましょう。
あと、基盤をいじるときに横着して液晶カバーをつけっぱなしで作業するとカバーが傷だらけになります 。気をつけましょう。
参考
- How to MOD Your DMG Gameboy With ProSound [Stereo Jack] - Snapguide
- 初代ゲームボーイをProSound化した | kyo5884's blog
- あかね色の空の下で 初代ゲームボーイ&ゲームボーイポケットをprosound化してみた☆
元のイヤホン穴を利用しつつ、接続経路を変えてする方法が紹介されています。本体に穴を開けるのも気が咎めたので次のゲームボーイではこの工作をしようと思います。
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この他にもゲームボーイの修理・改造ネタを紹介しております。Tipsをまとめておりますのでこちらのページをご参照ください。
*1:雑な説明